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見いつけた!赤白黄色チューリップ

小山正見

チューリップの並び順と言えば、赤白黄色に決まっている。チューリップという歌がある。

さいた さいたチューリップの花が
ならんだ ならんだ 赤白黄色

この歌が「赤白黄色」の元だろう。
小学校でチューリップの俳句を作ると必ずといってよいほどこのフレーズが出てくる。
「よく見て!」
と言うが、その「よく見て」が実際には結構難しいのだ。
ある時、ほとんど花びらが取れかけたチューリップ畑に子ども達を連れて行って俳句作りをしたことがある。それでも「赤白黄色チューリップ」か出てきた。

チューリップ花びら外れかけてをり

この阿波野爽波の俳句が有名になったのは、イメージの破壊の「功績」によるものかもしれない。
子どもにも優れた観察の句がある

赤だけどすこしむらさきチューリップ

イメージから抜け出せなかったらこうした俳句は絶対に生まれないだろう。
しかし、イメージに支配されるのは人間の認識の特性である。人間の目は本当は画素数の少ない不鮮明なデジカメぐらいの性能しかないらしい。不足を補っているのが脳の働きである。つまり、イメージでありパターンなのだ。
そのことによって、エネルギーを使わずに周りの事象を認識できるという風に上手くできている。
俳句ではイメージの破壊が求められる。人間の本性の逆を行くということだ。臍曲がりでないと俳句はできないということか(笑)