俳句フォトエッセイ2024.11.19瓢箪の形に戦(そよ)ぐ秋の水小山正見所属する俳句結社の吟行で鎌倉に出かけた。前日の雨が嘘のような快晴だった。風は強いが、空は青一色。気持ちの良い吟行日和だ。11月3日は晴れの特異日とも聞く。弁当は持参というので、崎陽軒のシュウマイ弁当にした。950円。この弁当については、以前から書いた。抜群のバランス感覚の弁当だ。ぼくはこの弁当の影の主役は濃い味付けの筍にあると睨んでいる。永福寺と書いて「ようふくじ」と読む。ここが吟行の第一に目的地。源頼朝により建立された。平泉の中尊寺を模して建てられたと言われ、当時の鎌倉三大寺社の一つとされている。現在は、礎石のみが遺されている。が、VRで復元された姿をスマホでもみることができる。俳句の本質は詩であり、詩というのは心の中のことである。しかし、俳句では心の中のことを直接描かずに描写を通して示すことが多い。これは至難の業だ。吟行は、本質にまで到達しなくても、その元となる観察し描写する練習の絶好の機会だ。30分ほどの時間だったが、感じたまま思ったままを詠んでみた。赤蜻蛉がまだいた。立冬が近いというのにまだ飛んでいるのだ。風に揺れ風に煽られ秋茜こんな句は掃いて捨てるほどあるだろうが、強い風の中の赤蜻蛉の姿は印象的だった。礎石のみ殘る御寺の秋日和寺跡とは言え、これほど手厚く保護されている寺跡は少ないだろう。寺跡に力任せの秋の風背後の森が浮き上がるような強い風だった。代表の上野一孝先生が、鎌倉の武士の力強さが出ていて良いと評して選んでくれた。本人も考えつかない解釈が得られるところも俳句の面白いところである。次は虚子立子記念館。近代俳句のメッカだ。2階には虚子や立子のみならず星野椿や星野高士の色紙も飾られていた。高士は伝統俳句協会の副会長であるが、今は現代俳句協会の副会長の職も兼ねている。この記念館が現代に続いていることを強く感じた。そこで、虚子立子椿高士や秋うららと詠んだ。帰りは鎌倉駅のそばの中華料理屋「梅梅」で懇親会。楽しい一日が終わった。
所属する俳句結社の吟行で鎌倉に出かけた。前日の雨が嘘のような快晴だった。風は強いが、空は青一色。気持ちの良い吟行日和だ。11月3日は晴れの特異日とも聞く。
弁当は持参というので、崎陽軒のシュウマイ弁当にした。950円。この弁当については、以前から書いた。抜群のバランス感覚の弁当だ。ぼくはこの弁当の影の主役は濃い味付けの筍にあると睨んでいる。
永福寺と書いて「ようふくじ」と読む。ここが吟行の第一に目的地。源頼朝により建立された。平泉の中尊寺を模して建てられたと言われ、当時の鎌倉三大寺社の一つとされている。
現在は、礎石のみが遺されている。が、VRで復元された姿をスマホでもみることができる。
俳句の本質は詩であり、詩というのは心の中のことである。しかし、俳句では心の中のことを直接描かずに描写を通して示すことが多い。これは至難の業だ。
吟行は、本質にまで到達しなくても、その元となる観察し描写する練習の絶好の機会だ。
30分ほどの時間だったが、感じたまま思ったままを詠んでみた。
赤蜻蛉がまだいた。立冬が近いというのにまだ飛んでいるのだ。
風に揺れ風に煽られ秋茜
こんな句は掃いて捨てるほどあるだろうが、強い風の中の赤蜻蛉の姿は印象的だった。
礎石のみ殘る御寺の秋日和
寺跡とは言え、これほど手厚く保護されている寺跡は少ないだろう。
寺跡に力任せの秋の風
背後の森が浮き上がるような強い風だった。代表の上野一孝先生が、鎌倉の武士の力強さが出ていて良いと評して選んでくれた。本人も考えつかない解釈が得られるところも俳句の面白いところである。
次は虚子立子記念館。近代俳句のメッカだ。2階には虚子や立子のみならず星野椿や星野高士の色紙も飾られていた。高士は伝統俳句協会の副会長であるが、今は現代俳句協会の副会長の職も兼ねている。この記念館が現代に続いていることを強く感じた。
そこで、
虚子立子椿高士や秋うらら
と詠んだ。
帰りは鎌倉駅のそばの中華料理屋「梅梅」で懇親会。
楽しい一日が終わった。