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大夕立大地を跳ねる水の粒

小山正見

最近は、出かける時必ず傘を持って出るようにしている。いつ夕立があるかわからないからだ。
猛烈な暑さだ。76年生きてきて、今年ほど暑さを感じる年はなかった。暑い年でも途中で中休みがあった。今年は連続して暑い。地表が冷やされる暇がないから余計体感としての気温も高く感じる。
この暑さが人間のせいであることは間違いがない。文明というものは猛烈にエネルギーを消費し、そのエネルギーが空気中に放出されるのが暑さの原因だ。「危険な暑さ」から逃れるためにクーラーを多用すれば、その分の熱で更に暑くなる。ある種の悪循環である。
環境破壊というが、大きな目から見れば、人間の存在そのものが地球にとっての環境破壊の元凶である。環境破壊が農業の定着から始まったというのは、定説である。牛のゲップが二酸化炭素濃度を高めているというのも事実らしい。
一つの種だけが異常に繁殖して地球を侵食している姿は、コロナ菌の増殖にも似ている。コロナ菌で人間が高熱を出すように地球は人間の増殖によって高熱を出し始めているのだ。
そう考えると、少子化や人口減少は自然の摂理、地球の防衛反応とも思えてくる。
観察や実験によると、ある種のネズミは大増殖すると、集団で海にダイブすると言うし、高密度でハツカネズミを飼う実験では同性愛が異常に増加すると報告されている。
なぜ人類が繁殖したか。その理由の一つがこの数万年かつてないほど地球の気候が安定していたことが挙げられるという。
地球史を紐解けば、全球凍結の時代や現在は20%程度の酸素濃度が10%以下の時代もあったらしい。
地球は、激動してきた。
そうすると、たかだか2度か3度気温が上がったぐらいで「異常気象」と言えるのかとも考えてしまう。そうした変化があるのが元々の地球の姿かもしれないからだ。
そのうち人類は滅びるかもしれないし、高温をものともしない新種の人類が現れるかもしれない。一万年後まで生きて事の結果を見てみたいものだ。