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また一機春の空へと飛び立ちぬ

小山正見

肉眼でははっきり見えるのに、写真では全く見えない。拡大してようやく米粒ほどに見える。実は飛び立つ飛行機である。同じ風景でも「レンズ」が違うと見えるものが違うというのはおもしろい。
写真の先にあるのは、羽田空港である。葦原の先、多摩川の向こう側に駐機している飛行機が見える。数分ごとに飛行機が飛び立っている。よく見ると、写真の右側のかすかに管制塔が写っている。
川崎に干潟があると聞いて、探しに出かけた。いつものことだが、よく調べもせずに家を出た。川崎区にある大師河原水防センターは別名大師河原干潟館と言われる。干潟館というのだから、干潟はそのソバにあるに違いない。
川崎から大師線に乗り、東門前という駅で降りる。目の前に「川崎大師」というインド風の壮大な寺院が現われた。「これがお大師さま?」
混乱した末、どうやらこの建物が川崎大師の交通安全祈祷殿だということがわかった。
多摩川の河原は猛烈な風だったが、雲一つ無い青空。
枯れた葦原が広がり、その下からは緑の新しい葉が急速な勢いで伸び始めている。
川幅の広くなっている多摩川に白波がたっている。
土手の上は時々ジョギングや散歩の人が通る程度だ。
しばらく土手に座って川を眺める。静かないい時間だ。
仕事をしている時には、こうした時間をもったことはなかったし、もとうとも思わなかった。
さて、しかし、近くに干潟はなかった。その上、干潟館は「本日休業」とあった。いったい干潟は何処にあるのだろう。
出直すしかない(笑)。