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この店のよもやの閉店秋の雷

小山正見

「住吉書房」が閉店する!晴天の霹靂だった。噂を聞いて、店に駆けつけてみると、確かに「10月7日に閉店」との貼り紙があった。
この店がなくなると、元住吉に本屋がなくなる。同時に文房具屋もなくなる。
確かに、ぼく自身にしても、Amazonなとネットで買うことが多かった。世の趨勢とは言え、ショックは大きい。
住吉書房は昔から知っている。あの場所は、酒屋と弁天ストアというマーケットが入っていた。元々本屋ではなかった。
しかし、その跡取り息子さんが小さな貸本屋を裏通で経営していた。ぼくは、その貸本屋の常連だった。白土三平のカムイ伝やさいとうたかおのゴルゴ13などを読み耽っていた。
その方は根っからの本好きだったのだろう。ご自分の代になられてから酒屋を本屋に変えた。一階にはパチンコ屋が入っていたが、そこもきれいな本屋に変わったを。武蔵小杉のグランツリーに紀伊國屋書店ができるまで、中原区最大の本屋だった。
句集『大花野』をポップ付きで、1番目立つ場所に平積みで置いてくれたこともあった。
「あらゆる手を尽くしたとしても営業の継続は困難という判断になり、やむを得ずこのような結果となりましたことを深くお詫び申し上げます。」
というのだから、仕方がない。
全国の書店の数はこの10年で4分の1弱に当たる4700店が閉店していると言う。
決して他人事ではなかったのだ。