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木枯の吹いたその夜の渋谷かな

小山正見

立冬の11月7日に木枯が吹いた。一気に冬になった。オーバーを着込んで正解だった。三郷市まで出かけ、デイサービスとグループホームで一緒に俳句を楽しんだ。
「こういう機会があるから昔のことを思い出せる」とは参加者の声である。喜んでくれていてありがたい。
帰りは渋谷で降りた。スマホとテレビのコネクターを買うためである。
11日のご近所散歩イベントの際必要なのだ。
久しぶりの渋谷なので少し歩いてみようかという気になった。
道玄坂を上がると渋谷百軒店である。ここに昔ながらのカレーライス屋がある。ムルギーだ。自分が高校生だった時からあるのだから50年以上だ。調べたら1951年の創業である。ぼくの3歳の時だ。
そのムルギーの健在を確認してからセンター街に向かった。
ハロウィンは終わったはずなのに、センター街はお祭りの続きだ。外国人も多い。アラブ系の一行が並んで記念写真を撮っている。ある飲み屋は外国人が入り口から溢れ出している。
センター街は若い人ばかりだ。何処にこんなに若者がいたのかと驚くぐらい若者、若者、また若者である。
どの店も客でいっぱいだ。どうしていっぱいかどうかが分かるかと言うと、ガラス張りで中の様子が見える店が圧倒的に多くなっているからである。昔はそうではなかった気がする。
盛り上がっている店内の様子がそのまま外に伝わってくる。外を孤独に歩いているぼくにまでエネルギーをもらえそうだ
渋谷の街は木枯など物ともしないようだ。