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手を繋ぎ彷徨したき祭の夜

小山正見

句集『大花野』に

手を繋ぎ祭の夜を彷徨す

の句を記した。コロナが流行る前のことである。
https://www.amazon.co.jp/大花野-句集-小山-正見/dp/4908978735

元住吉駅前の住吉神社の祭礼は五年前と同じように人で溢れていた。所狭しと出店が並び、浴衣姿の女の子やカップルの姿も多い。
男子中学生のグループもたむろしている。
混んでいて、境内には入れないほどだ。
一つ気がついたことがある。金魚すくいが姿を消しているのだ。定番だったその場所には、無生物のスーパーボウルすくいが陣取っている。場所についてはおそらく既得権があるのだろう。だとすると出展者は同じ人物かもしれない。
境内の舞台では丁度紙切りの演芸が行われていた。しゃべくりながら出来上がったのは、パンダだ。結構の盛り上がりだ。
しかし、自分の居場所を探しても何処にも無いことにも気がついた。二人で彷徨したことが懐かしい。
かつて、修学旅行協会主催の会合がディズニーランドで行われたことがあった。文科省の役人や学校の先生などが招待されていた。
会合が終わってから「どうぞ自由にディズニーランドを楽しんでいってください」と言われた。平日の午後でどのアトラクションも比較的空いていた。
一人で園内を回った。しかし、一つも面白くない。虚しさだけがつのってくる。ディズニーランドは一人で来るところではないと身に沁みた。