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屯(たむろ)して塀の外から盆踊

小山正見

我ながら、この写真はいい写真だと思う。(笑)
地域社会と若者(少年少女)との関係がよく映し出されていいるからだ。
盆踊の会場。たくさんの提灯が吊られ、真ん中に櫓が組まれ、太鼓が叩かれる。
踊り手がその周りを巡る。多くは、町会婦人部→今は女性部というのかもしれない。
来賓席には、町会役員や地域の名士が並ぶ。屋台が出され、子供たちの姿も多い。
浴衣姿をお披露目する絶好の場だ。
大きくなると盆踊など興味の外になる。出かけるなら、渋谷か新宿の方がいい。
しかし、中には盆踊に現れる若者もいる。彼らの目的は無論盆踊ではない。その場を借りて自分たちで屯することだ
地域社会は、どうにかして若者のを地域の輪の中に取り込もうと知恵を絞るがなかなかうまくいかないのが現実だ。
おそらく、「外に出たい」という若者の遠心力が地域社会に繋ぎ止めようとする力を圧倒的に凌駕しているからだろう。そして、それは健全なことでもある。
八名川小学校に赴任して一年目。八名川公園ての連合町会の盆踊に参加した。数限りないほどの提灯が並び、公園は人でごった返していた。しかし、そのうち、盆踊の輪の中に子どもの姿がほとんどないことに気がついた。あれっと思った。
学校は地域に支えられるが、学校は地域を支えることはできないかと考えていたので、子どもたちが大勢盆踊に参加して一緒に踊れば地域の人たちも喜び、地域を支えることができるのではないか。良い手ではないか。
思いついたのは、学校で盆踊の練習会をすることだった。
町会の婦人部の方々に頼み、夏休み前の放課後の体育館で盆踊の練習会をしていただいた。
百人以上の子どもたちが集まって楽しそうに踊った。
これてうまくいく。ほくそ笑んで、盆踊の日を迎えた。
ところがである。踊りに輪に子どもの姿は相変わらず増えない。何度も放送で呼びかけてもらったが、効果はなかった。
参加した子に賞品を出すとか、あの手この手を考えたが、やっぱりうまくいかなかった。
今になっても、ぼくまだ解答を持っていない。