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餡添へてクリーム添へてかき氷

小山正見

うだるほど暑い。いよいよかき氷の季節である。
モーニングを食べようとコメダ珈琲店に入ったら、目の前に「コメダ名物かき氷」の大きなプレートが置いてあった。
かき氷には、子どもの時分からお世話になっている。何と言っても「氷いちご」だ。あの赤がいい。舌が真っ赤になったのを見せ合った。次は青。氷メロンは舌の色がさほど変わらないのでつまらない。
氷カルピスが出てきた時は、新鮮だった。
かき氷の歴史は、平安時代に遡る。清少納言の『枕草子』の中に「けすりひ」として出てくるらしい。氷室で保存したのだろうが、運んでいるうちに溶けちゃうのではなかろうか。
大衆の口に入るようになったのは明治に入ってからである。
横浜馬車道にある野田商店が最初だと言われている。ところが粗悪な氷が出回ったため、「氷製造人並販売人取締規則」が交付され、許可の「印」が現在よく使われている「氷旗」の元になっているそうだ。
中国やギリシャ・ローマでもかき氷のようなものはあったらしい。西洋のかき氷は、シロップを掛ける代わりに果物などをトッピングしたものが多い。最近流行の日本のかき氷はこの系譜にあたるのかもしれない。
以前、俳句の仲間で谷中の吟行をしたことがある。世話役のIさんがかき氷で有名なひみつ堂に連れて行ってくれた。
Iさんが朝早くから並び「行列に並ぶための整理券」をとってくれた。この整理券がないと行列にすら並べないのだ。
指定された時刻に店の前に並んでから数十分。イライラする頃、ようやく店内に入れた。
かき氷は実に美味かった。そして、その美味さが記憶に残った。
美味さを倍化させるには行列に並ぶことが必須なのかもしれない。(笑)