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雨傘の春の模様となりにけり

小山正見

数日良い天気が続いたが、今日は雨。ブレーメン通りに出ると傘の波だ。

一時、傘と言えば皆ビニール傘だったが、少し様子が変わっている。優しい色調のカラフルな傘が結構多い。いかにも春の様相だ。

昔、傘の歴史を考えたことがある。記憶によると傘の発祥地はエジプトだということだ。雨用ではなく、日傘だったらしい。

佐野洋子に『おじさんのかさ』という本がある。
「あら、かさをさしたんですか、雨が降っているというのに」
という台詞が印象的だった。
傘はさすものではなかったのだ。 
傘は都会の産物だというのが、僕の意見だ。

長距離の旅行者にとっては、傘は邪魔者だろう。蓑や合羽の方が合理的だ。外で作業する場合も同様だろう。
すると傘は近距離の移動用に限定される。それが必要になるのは都市生活のみだ。
ブレーメン通りはまさしく都市の一角である。こんなことを考えているうちに元住吉の駅に着いた。