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足裏の痛くて冷たくて縄文の湯

小山正見

南武線に乗ったついでに、川崎方面に向かい、矢向で降りた。「矢向」の地名の由来は新田義貞まで遡るらしい。降りたわけは、ここに「志楽の湯」という温泉があるからだ。
正月以来温泉に凝っている。溝口温泉、綱島温泉、そして今度はここ志楽の湯というわけだ。川崎区にも宮前区にも温泉があるらしい。そのうちそちらも制覇したい。
さて、志楽の湯は住宅街の中にあった。「縄文の湯」というぐらい、風情がある。まるで鄙びた温泉宿のようだ。
靴箱は昔ながらの木札。サウナはあるが、他にもあるような特別な湯はない。
しかし、広い露天風呂があり、何とも休まる。
次々に客が入ってくる。仕事帰りらしい人が多い。
街中でもマッサージやアロマの店が目につく。「癒し」が現代人の必需品になっているのかもしれない。
一つ困ったこともあった。
縄文の湯らしく、床が石なのだ。歩くと足裏が痛い。それに冷たい。これには参った。しかしゆったりと風呂に浸かり体が温まってくると、これも一つのご愛嬌に思えてくるから不思議だ。
夏になると、この冷たさがかえって気持ちいいのだろう。