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街かわり人のかわれど星祭

小山正見

用が出来て、渋谷に出かけた。日が落ちて幾分気温が下がったような気がする。

センター街は、人で満ちていた。みんな若い。

仙台で見るような七夕飾りが垂れている。昔もそうだった。

いつの時代もこの場所は、若い人で満ちていた。外国人が増えた以外、何の変わりもない。

僕らの世代が、僕らの弟や妹の世代になり、そのうち子どもの世代に、今は孫のような世代になっただけだ。

店も変わっているのだろうが、定かにはわかない。

スペイン坂を過ぎて、東急ハンズが見えてくると幾分ホッとする。ここは知っている場所だ。この近くに「壁の穴」というスパゲッティ屋があった。穴蔵みたいな店だった。今あちらこちらに支店があるが、本店はまだあるのだろうか。

渋谷駅は、大幅に変わった。東横線の終点だった。改札を出て、階段を登るとすぐ地下鉄銀座線の改札口だった。階段を降りれば山手線の改札があった。

その渋谷駅は、複雑になった。今は迷路だ。いくら地図を見ても、自分が何処にいるのかわからない。

まだ工事は続いているようだが、大きなビルは一応全て完成したという話だ。

東急文化会館がまず最初にヒカリエに変わった。東横デパートの辺りは、渋谷スクランブルスクエアだ。

初めて、スパゲッティというものを食べたのは東横デパートの食堂だった。ナポリタンとミートソースは魅力的だった。ショーケースの中のサンプルが懐かしい。

東急文化会館には、五島プラネタリウムがあった。太陽とベガの比較模型があり、宇宙の大きさに心躍った。

新しくできた巨大ビルには入ってみる気さえ起きなかった。宮下公園には、エスカレーターが設置され、三階建になっていた。

それでも渋谷は渋谷だ。

これからも渋谷は、喧騒を続け、若い世代の街であり続けるのだろう。

きっと、それが渋谷なのだ。