俳句フォトエッセイ2025.04.16花冷のままに一夜を過ごしたる小山正見冬に戻ったように寒い。雨まで降っている。住吉桜は満開のまま凍結しているようだ。正に花冷である。一瞬の絶頂があり桜散るのが普通だが、頂点で止まってしまうこともあるのだ。昨年「花冷」という題の俳句の連作を所属している俳誌「梓」にだしたことを思い出した。締切を一ヶ月間違えていて、催促され慌てて詠んだものだ。気分がイライラしていて、句にも影響している。花冷 小山正見満開の桜の中に閉校す来賓となり桜湯の味薄し歌舞伎座の涙を誘ふ花吹雪一斉のクローン桜美しき枝切りて弘前城の桜映ゆ満開の老いさらばえた桜かな支えられ延命措置の滝桜花盛り鉄条網の向ふ側漆黒の闇に息せし桜花あんぱんの臍にあしらふ桜蕊三つ指をついて出されぬ桜餅糖尿故食べてはならぬ桜餅花冷や十円惜しむモーニング花冷や学校日誌に誤字脱字花冷や妻の日記を盗み読む高層のビルの隙間の山桜桜には見向きもせずに花の宴しかし、この花冷のおかげで今週末まで桜は持ちそうである。良かった!良かった!
冬に戻ったように寒い。雨まで降っている。住吉桜は満開のまま凍結しているようだ。正に花冷である。
一瞬の絶頂があり桜散る
のが普通だが、頂点で止まってしまうこともあるのだ。
昨年「花冷」という題の俳句の連作を所属している俳誌「梓」にだしたことを思い出した。
締切を一ヶ月間違えていて、催促され慌てて詠んだものだ。気分がイライラしていて、句にも影響している。
花冷 小山正見
満開の桜の中に閉校す
来賓となり桜湯の味薄し
歌舞伎座の涙を誘ふ花吹雪
一斉のクローン桜美しき
枝切りて弘前城の桜映ゆ
満開の老いさらばえた桜かな
支えられ延命措置の滝桜
花盛り鉄条網の向ふ側
漆黒の闇に息せし桜花
あんぱんの臍にあしらふ桜蕊
三つ指をついて出されぬ桜餅
糖尿故食べてはならぬ桜餅
花冷や十円惜しむモーニング
花冷や学校日誌に誤字脱字
花冷や妻の日記を盗み読む
高層のビルの隙間の山桜
桜には見向きもせずに花の宴
しかし、この花冷のおかげで今週末まで桜は持ちそうである。良かった!良かった!