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艶やか(あでやか)艶やか(つややか)秋映てふ林檎

小山正見

実に色映えのする林檎である。名前を見たら「秋映」とある。
秋映は、長野の林檎だ。「信濃スイート」「信濃ゴールド」と並んで、長野県の「りんご三兄弟」の一つと言われる。
子どもの頃の林檎と言えば、「紅玉」か「国光」であった。紅玉は酸味が強く、食感が水っぽく新鮮。しかし、すぐ悪くなる。反対に国光は、味は比較的ぼんやりしているが、もちがよい。
風邪を引いて熱を出すと、母親が林檎をすり下ろして食べさせてくれたのが思い出だ。
ケーキというと、林檎のパイやタルトのようなものがよく出てきた。それだけ悪くなりやすかったのだろう。
いつの間にか、「ふじ」という品種が出てきて驚いた。大きくて甘い。生のまま食べないともったいない。
考えてみれば、アダムとイブの昔から林檎は存在する。人為的な栽培が始まってから四千年。林檎は世界中で栽培されている。
日本の林檎の歴史は明治から。青森でりんご栽培が始まったのは明治十年頃らしい。主な産地は、青森、長野、岩手。この三県で全国の生産量の85パーセントを占める。
最もたくさん生産されている品種は、やっぱり「ふじ」で50パーセントを超える。ついで「つがる」「王林」と続く。
日本で言えば、「林檎は赤」といういメージで、ほっぺたが赤くなる子どもの病気を「りんご病」と名付けているほどだ。
しかし、フランスでは、林檎と言えば「みどり」が常識。赤い林檎もない訳では無いのに、パッケージなどに描かれている林檎はことごとく緑だそうだ。
イメージというのは、不思議なものだ。