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胡瓜にも品種色々夏すずみ

小山正見

のらぼう菜の紙芝居を作られた食農教育コーディネーターの清水さんと一緒に川崎多摩区菅の農家髙橋孝次さんのお宅を訪れた。と言っても孝次さんは、三年前に他界され今は奥さんがあとを継いでおられる。
髙橋さんの「のらぼうな」は味が良く、収穫量も多く、地域特産物マイスターにも選ばれた。
奥様の寛子さんに、今に至るまでのご苦労をお聞きした。
髙橋さんは、都市化の波の中でもずっと農業を守り続けてきた。養鶏も営まれていたが、周りが住宅地ばかりになり、匂いや鳴き声などに対する苦情から断念し、シクラメンなどの花作りや植木づくりに方向転換をされたこと。
バブルが弾けると急にそれらの売り上げが急減し、それまで自家用にしか作っていなかったのらぼう菜に目をつけ、工夫を重ね収穫量を飛躍的に増やしていったこと等。
鮮やかな決断力と飽くなき工夫の積み重ねによって髙橋さんが都市農業を守り抜いてこられたことが鮮やかに理解できた。
髙橋さんは、小学校二年生の生活科「野さいづくり名人になろう」の単元で地域の学校に赴き、子どもたちや先生方に感動を与え続けてこられた。
髙橋さんが亡くなられた今、髙橋さんに代わって清水さんたちが作った「のらぼう菜」の紙芝居が学校を訪れている。
写真は髙橋さんの家の温室の一角にあった胡瓜の苗である。発芽させた苗を一つ一つのポットに植え替えたものである。よく見ると「夏すずみ」という品種名が書かれていた。