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真剣な眼差し浴びる薄暑かな

小山正見

中央に立っているピンクのシャツの男は僕である。
江東区立第二辰巳小学校(二辰小)の先生方の俳句研修会に招かれた。
二辰小は昨年度開校五十周年を迎えたが、僕は十周年の時にこの学校に在籍していた。考えると、その時から四十年だ。
校舎は当時のままである。コンクリートの打ちっぱなし。南北に長い廊下が通り、その両脇に教室が配置されている。
デザイナーズ校舎のような斬新な作りであるが、使いにくさもあった。教室の両面がガラス窓なので、掲示物を張る場所が少ない。教室が一つ一つ独立しているので連携が難しかった。
今はメトロ有楽町線が通り、駅前の学校になっているが、当時はバスしか交通機関がなかった。バスを乗り継いで通勤した。雪が降ると橋で車が立ち往生し、バスも動かなくなる。メトロ東西線の木場の駅まで一時間近くかけて歩いた。イトーヨーカドーはまだ無くて、藤倉電線の工場の暗い塀が続いていた。
東日本大震災の時は校庭が液状化したと聞く。
学校の前の都営住宅はすっかり建て替えが終わっていた。
近くに工場直営の美味しいケーキの直売場があったはずだが、まだあるだろうか。