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梔子の白の匂へる垣根かな

小山正見

もう梔子(くちなし)か。今年は季節が進むのが早いような気がする。
「くちなし」と言えば、渡哲也の「くちなしの花」を思い出す。俳句フォトで梔子を何回か取り上げたが、必ず渡哲也が登場している。
若い頃は演歌好きでなかったのに、いつの間にかはまってしまった。
入口は門倉有希だった。今、この名前を知っている人は少ないだろうが「ノラ」という歌がカラオケでの人気曲に入っている。
門倉は1996年NHKの新人歌謡コンテストでグランプリをとり、紅白歌合戦にも出場した。
森昌子をカバーした「哀しみ本線日本海」は中でも心に沁みた。一体何度聴いたことだろう。千回は下らないと思う。門倉有希のファンクラブに入会し、会員証を持っていた。
趣味は?と聞かれると「門倉有希」と答えた時期もあった。
聴いているうちに気付いたことがあった。僕の好きな曲の作詞作曲が同じコンビなのだ。荒木とよひさと浜圭介。
彼らの曲を追いかけて、桂銀淑とかテレサ・テンを聴き、ちあきなおみにたどり着いた。
ちあきなおみは、今や幻の歌手だ。
図書館で全曲集を借りてきて聴いた。
そのなかに彼女の歌うポルトガルの民謡、ファドがあった。
ファドは演歌そのもの。ちあきなおみが歌うファドのアルバム「待夢」は何とも美しい。