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梅雨晴の手作り味のコンサート

小山正見

亀戸文化センターの「はねかめまつり」でこども俳句教室を担当した。
一時間半の間にたくさんの俳句を作り、その中から7句を選びミニ句集を作るのだ。
表紙も裏表紙も付け、発行日も定価もつける。表紙には題名も書かせる。そうすると、こどもの個性が出るからおもしろい。
参加人数は少数だったが、楽しい時間だった。近くの学校に勤務するA先生が応援に来て下さったのもうれしかった。
帰りは、武蔵小杉で降りた。外はまだ明るい。自宅まで歩いて帰ることにした。高層のマンション群の下の公園の緑が濃くなっていた。
綱島街道沿いに少し歩くと、中原平和公園である。
昔、この場所は米軍の基地・印刷工場があり、鉄条網で囲まれていた。
その場所が返還になり、県立の住吉高校ができ、周辺は公園になった。
彫刻がいくつもおかれている。公園の隅には川崎市の平和館がある。
中原平和公園は、我が家から歩いても約15分である。コロナの間の毎日の散歩コースであった、コワゴワとして、マスクをつけたままだったが、きもちよかった。

生きるとは密になること姫女苑  正見

という句をよんだこともある。

公園の一画に野外音楽堂がある。いつもはガラーンとしたその場所から歌声が聞こえてきた。
興味がわいた。いったいなんだろう。
だれでも入れそうな雰囲気だった。人もずいぶん集まっている。
雨が上がり、少し蒸し暑くなってきたが、気持のよい夕べだ。
最初は保育士さんのグループの歌だった。高校生のグループがでてきたり、アコーディオンのグループだったり、皆素人の集団なのだが何となく、昭和のにおいがする。音楽の迫力というよりも音楽の「ゆるさ」を感じる音楽会のような気がした。
しばらくの間、蚊にさされながら、それらの歌をボーっとしてきいた。しっている人は一人もいなかったが、いやされる音楽会だった。千円の寄付をして帰った。
蝉の声があたりを覆っていた。空が暗くなってきた。