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東京は遥か彼方の春霞

小山正見

ここを訪れるのは三回目である。初めは妻と散歩のつもりで来た。二回目は、孫を連れて娘の家族と一緒に来た。
我が家からはバス一本。高齢者パスを持っているので、半額の百十円で来られる。
月曜日なので休みだと困ると思ったが、大丈夫だった。
夢見ケ崎動物公園。
市営の動物公園で、入場料はタダである。
電車だと南武線の鹿島田か新川崎の駅が近いのではないか。それでも徒歩で二十分ほどかかりそうだ。
この動物園、ライオンや虎などの猛獣はいないが、かなり本格的である。
ペンギンやフラミンゴまでいる。フラミンゴの毛が赤いのは、エサの色素に依ることを初めて知った。
体長が1メートルを超すゾウガメがいる。成長のスピードが半端ではないらしい。毎年10センチの割で大きくなるという。甲羅も一緒に成長するのが不思議だ。
見ていて気がついたことだが、動物は餌を食べているか、寝ているかどちらかだ。大体はじっとしている。
ところが猿は違う。黄色く綺麗なボリビアリスザルは始終走り回っていた。一時もじっとしていない。
見ていて面白い。飽きない。
人間はどうだろう。やはり、本質的にはサルと同じようにじっとしていられないのではないか。
教室でこどもたちに「じっとしていろ」と言うのは、かなり残酷な躾なのかもしれない。
動物公園は丘の上にある。一部は古墳でもあった。遥か遠くには東京のビル群が見える。