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春寒の風吹き抜くる三郷駅

小山正見

暦の上で春になったと思ったら、途端に寒くなった。
ぼくは、埼玉の三郷まで毎月一度行く。
デイサービスとグループホームのお年寄りと一緒に俳句を楽しむためだ。
この日も楽しかった。一月は休みだったので、お正月の俳句と節分の俳句を一緒に考えた。
お年玉あげるの楽しみお正月
へえ、孫が来てくれてお年玉をあげるのが楽しみなんだと妙に納得した。
逆に
孫たちから逃げ回っているお正月
という句もあった。
お節料理では一番美味しいのは数の子という人が多かった。
数の子をぽりぽり食べるせち料理
途中で図らずも「もういくつ寝るとお正月」の歌をみんなで歌ったりした。
豆蒔きの句
ひこ孫と一緒に投げて鬼は外
一番みんなの注目を集めたのは、
豆まいて娘を嫁に追い出そう
拍手喝采だった。
それはよかったのだが、朝、寒風の吹き抜ける三郷駅で立ち往生してしまったのだ。
ぼくのSuicaはApple Watchの中にある。その充電が切れてしまった。万事休す!スピーカー越しに駅員とやり取りしたが埒が明かない。結局解決するまで10分以上寒風に吹き晒された。
Apple Watchをぼくは第一世代から持っている。新しもの好きで、話題性もあるからだ。
その最大のメリットは、万歩計機能と電話の着信を振動で教えてくれることだった。
最近は持っている人が増え、話題性は低くなった。
代わりに重宝しているのが、予定を表示できる機能などに加えて睡眠分析の機能だ。
どのくらい熟睡したかなど睡眠の質も分かるようになっている。自分で「一睡もできなかった」と思っていても、これを見るとかなり寝ていることもわかったりする。
健康を意識する上で面白く使える。
しかし、最大の敵は充電切れだ。油断をすると酷い目に遭う。寒風の中に晒されることになる。