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春光を集めて海の観覧車

小山正見

俳句フォトでは、気になった場所(もの)の写真を撮り、それを元にして俳句を詠むのが普通であり、推奨する方法である。

しかし、この作品は俳句が先にできた珍しい例である。

かつてお台場にヴィーナスフォートという商業施設があった。近くに住んでいたこともあって、気晴らしに時々出かけたことがある。隣に大きな観覧車があり、夜はネオンで輝いていた。それを思い出して、

春光を集めて回る観覧車

という句を詠んだ。ところが、この「回る」が問題だ。観覧車は回るものだ「回る」とわざわざ言う必要はない。この三文字に悩んだところ、横浜の観覧車が浮かんだ。

そこで、

春光を集めて海の観覧車

としたら、句会でも人気があった。気を良くして、わざわざ横浜に観覧車の写真を撮りに出かけた。空が快晴でないところが少し残念である。