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教会に北門のあり水仙花

小山正見

「誰でも出来る俳句フォト」
写真に写っているものを組み合わせるとそれだけで「俳句」らしきものができてしまう。これが「俳句フォト」のマジックである。文才など欠片も要らない。

この写真に写っているのは、「カトリック田園調布教会北門」と「花壇の黄水仙」である。
揚げ句は、この二つを組み合わせただけだ。詠み方としては、何とも安易である。
しかし、何となく俳句らしい雰囲気があるとは思いませんか。
俳句で難しいのは、まず何を詠めばよいかという点である。しかし、写真を撮ると詠む対象が明確になるからこの第一の関門を簡単に通過することができる。
東急の田園調布から多摩川までの道は、私の好きな散歩道の一つだ。カトリック田園調布教会はその途中にある。ライトアップされた塔の上の十字架が美しい。
この写真を撮ったのは「教会に北門があるのか」というところにわずかな違和感を感じたからである。
教会は、清廉潔白な場所で「北門」とか「裏門」とかはなじまない(本当はそんなことはないのだろうが・・・)と感じたからだ。
それが「教会に北門のあり」というフレーズになった。
実際の景色は過ぎ去ってしまうが、写真は何回でも見直すことができるのが利点だ。
この写真を見ている内に黄水仙が咲いていることに気がついた。水仙は冬の季語であるが、そのまま頂戴した。その際、「黄水仙」とせずに「水仙花」にしたのは、教会の清廉潔白さには、「黄水仙」より「水仙花」の方が何となく合っている気がしたからである。
①何となく気になったところ(もの)を写真に撮る
②写真に何が写っているかを反芻し、何が気になったかを考えて、自分の心の中を探ってみる
③適切な季語を探す
④考えたことと季語を組み合わせ一句にする
⑤語順や言葉について推敲する