【大好評】「咲満ちて小山正見の俳句フォト カルタ」販売中!

大垣のこれより開く桜かな

小山正見

大垣は松尾芭蕉の「おくのほそ道」の旅の結びの地である。

蛤のふたみにわかれ行秋ぞ 芭蕉

の句を詠み、舟に乗って、この「写真に写っている川」を下り桑名を経て二見ヶ浦に向かったとされている。
西田拓郎先生のお話によると、実際に大垣で大量の蛤の殻が見つかったとの事。
「蛤」は単なる比喩ではなさそうだ。
雨模様の中「高校生俳句決戦in大垣」のイベントが始まった。
岐阜の高校が中心だが、北海道の旭川からも、和歌山からも選手が参加した。
最初は四つの会場に分かれ予選。対戦する一句一句について、審査員が赤白の旗をあげて勝負を決めていく。
高校生の緊張感が伝わってくる。
本来俳句に勝ち負けはないと私は思う。価値は、旗の数で決められはしないはずだ。
逆を言えば、このイベントは決められないものを決める「遊び」なのである。よくこんな壮大な遊びを計画したものだ。
感動した一つに飛騨神岡高等学校チームがある。例のカミオカンデの地の高校だ。雪深く、東京から大垣市に行くよりも時間がかかるらしい。
最初は声も小さくディベートにも迫力がなかった。それが勝ち進んでいく度に躍動し、ついに決勝まで勝ち上がってしまった。何かが吹っ切れたみたいだ。人間は一瞬で成長すると思った。
いいイベントだった。審査員として参加させていただいたのが嬉しい。
この大会はまだ一回目である。「来年もこの会場で会おう」が合言葉になった。
花が開くのはこれからに違いない。