俳句フォトエッセイ2024.12.06冬紅葉遥か遙かに千曲川小山正見この千曲川は小諸城址・懐古園からの眺望である。千曲川と言えば、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」だろう。その碑が懐古園にはある。藤村の記念館もある。島崎藤村の『夜明け前』をぼくは劇団民藝の舞台で観ている。高校生の頃だ。名優と言われた滝沢修と宇野重吉が演じた。重厚な舞台が今でも眼裏に蘇る。本格的な舞台を観たのは、これが初めてだった。懐古園の紅葉は見事だった。もみじは秋に草木が黄色や赤色に変わることを表す動詞「もみず」に由来するという。そこから特に色を変える「かえで」を「もみじ」と呼ぶようになったらしい。「かえで」は葉の形が「カエルの手」に似ているところから来ているという。語源というのは、けっこう面白い。懐古園でその楓もみじを見ていて気がついたことがある。同じ木でも枝によって、真っ赤な葉をつけているものからまだ緑のままの枝まで混在していることだ。概ね上の方の枝は紅葉が早く、下の枝は遅いようだ。それにしても美しい。そこで、もう一つ気がついたことがある。懐古園は真っ赤にもえているいるのに、一歩出るとその赤がない。あたりの山は概ね一面「黄葉」である。この違いは何か。懐古園は桜の名所でもある。日本のさくらの名所100選にも選ばれているほどだ。これは、大正末期に植えられたからだ。だとしたら楓も同じかもしれない。東京でも浜離宮をはじめとする楓紅葉の名所が数多くある。これももしかしたらそうなのかもしれない。京都の紅葉の美しさを東に持ってきたのではないかと邪推してしまう。定かなことはわからないが、ご存じの方がおられたら教えていただきたい。
この千曲川は小諸城址・懐古園からの眺望である。
千曲川と言えば、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」だろう。
その碑が懐古園にはある。藤村の記念館もある。
島崎藤村の『夜明け前』をぼくは劇団民藝の舞台で観ている。高校生の頃だ。名優と言われた滝沢修と宇野重吉が演じた。重厚な舞台が今でも眼裏に蘇る。本格的な舞台を観たのは、これが初めてだった。
懐古園の紅葉は見事だった。もみじは秋に草木が黄色や赤色に変わることを表す動詞「もみず」に由来するという。そこから特に色を変える「かえで」を「もみじ」と呼ぶようになったらしい。
「かえで」は葉の形が「カエルの手」に似ているところから来ているという。語源というのは、けっこう面白い。
懐古園でその楓もみじを見ていて気がついたことがある。同じ木でも枝によって、真っ赤な葉をつけているものからまだ緑のままの枝まで混在していることだ。概ね上の方の枝は紅葉が早く、下の枝は遅いようだ。それにしても美しい。
そこで、もう一つ気がついたことがある。
懐古園は真っ赤にもえているいるのに、一歩出るとその赤がない。あたりの山は概ね一面「黄葉」である。この違いは何か。
懐古園は桜の名所でもある。日本のさくらの名所100選にも選ばれているほどだ。これは、大正末期に植えられたからだ。だとしたら楓も同じかもしれない。
東京でも浜離宮をはじめとする楓紅葉の名所が数多くある。これももしかしたらそうなのかもしれない。
京都の紅葉の美しさを東に持ってきたのではないかと邪推してしまう。
定かなことはわからないが、ご存じの方がおられたら教えていただきたい。