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今頃になり春の雨春の雪

小山正見

夜になって降り始めた雨が雪に変わった。
どうせなら朝から雪が降ってほしかった。(実際にそうなったら、大混乱したに違いないが)
子どもたちに雪の清澄庭園の美しさ見せたかったからだ。
昨日は、第十四回きごさい全国小中学生俳句大会の表彰式が都立清澄庭園の大正記念館で行なわれた。
会場からは庭園が一望できる。素晴らしい景色だ。昨年一昨年は天気が良く、春の景色が広がっていた。
こんな素晴らしい景色の中での表彰式は稀有だろう。主催者の我々にとっても誇り高い。
実は、これを提案してくれたのは、仲間のAさんだった。
「清澄庭園で表彰式をする」
ぼくには、こんな発想はまるでなかった。聞いた時にも「そんなこと可能なの?」と疑心暗鬼だった。
ところが、Aさんは瞬く間に段取りをつけ、あっという間に実現に漕ぎつけてしまった。
初めての会場での表彰式は大変である。受付の位置から椅子の配置まで、いちいち考えなければならない。
Aさんはその全てをなし遂げてくれた。近くにいるとなかなか気づかないが、世の中にはすごい人がいるのだ。
Aさんの敷いてくれたレールのお陰で、今年もどうにか表彰式を乗り切ることができた。感謝しかない。
朝、実行委員長の挨拶を考えていた。
「・・・晴れた清澄庭園もいいけど、こんな日の清澄庭園も風情がありますね。
雨が降ったら恵の雨です。今日は寒いけど、この寒さが桜の花を美しくすると思えば今日の寒さは「いいねぇ」ということになります。
これと同じで、俳句は何を言ってもいいし、全てのことをよくしてしまう魔法のツールです。今日は一万一千の応募俳句の中から、最も子どもらしさ、中学生らしさが弾けた俳句を詠んだみなさんがここに集まっています。・・・」
こう書きながら「もしかしたら、人生も同じかもしれない」考えたりもした。
ネクタイを結びながら自分の顔をしげしげと眺めた。老いた顔があった。この役割は今年で最後にしようと思った。