俳句フォトエッセイ2024.10.03一本に百の蕊あり曼珠沙華小山正見曼珠沙華の俳句と言えば、何と言っても山口誓子のつきぬけて天上の紺曼珠沙華が有名だ。曼珠沙華の赤と空の青との対比が鮮やかである。この句は、ぼくに俳句の魅力を感じさせてくれた句の一つだ。30代の半ば頃である。そう考えるとぼくと俳句の付き合いは、40年になるのかもしれない。誓子に並ぶのが、森澄雄の西国の畦曼珠沙華曼珠沙華だろう。金子兜太には曼珠沙華どれも腹だし秩父の子がある。曼珠沙華は、一般に彼岸花と言われる多年草だ。田畑の畦や寺院やお墓の周辺にもよく見られる。モグラなどの獣害対策として植えられることも多かったようだ。日本で繁殖している曼珠沙華は種では子孫を残せないらしい。基本的には、人間の手で広げられた花である。蕊は何の役にもたたないのだ(笑)赤が多いが、中には白やピンクのものもある。曼珠沙華を「美しい」と感じる人も多い。わざわざ曼珠沙華を見に行くツアーもある。埼玉県の巾着田のいわゆる五百万本の曼珠沙華などは、特に有名である。神奈川県藤沢の小出川では、シーズンに合わせて「彼岸花まつり」が行われる。曼珠沙華は全国各地に広がっていると言ってもいいだろう。しかし、ぼくはどうにもこの花を好きになれない。赤白を揃へて妖し曼珠沙華という句を詠んだくらいだ。理由はわかならいが、何となく気持ちが悪いのだ(笑)しかし、山口百恵の歌った「曼珠沙華」(まんじゅしゃか)は大好きだ。この歌を知ったのは、先日亡くなった歌手門倉有希のアルバムによってだ。幾度聴いたか数えきれない。涙にならない悲しみのある事を知ったのはついこの頃で始まる歌である。
曼珠沙華の俳句と言えば、何と言っても山口誓子の
つきぬけて天上の紺曼珠沙華
が有名だ。
曼珠沙華の赤と空の青との対比が鮮やかである。この句は、ぼくに俳句の魅力を感じさせてくれた句の一つだ。30代の半ば頃である。そう考えるとぼくと俳句の付き合いは、40年になるのかもしれない。
誓子に並ぶのが、森澄雄の
西国の畦曼珠沙華曼珠沙華
だろう。金子兜太には
曼珠沙華どれも腹だし秩父の子
がある。
曼珠沙華は、一般に彼岸花と言われる多年草だ。田畑の畦や寺院やお墓の周辺にもよく見られる。モグラなどの獣害対策として植えられることも多かったようだ。日本で繁殖している曼珠沙華は種では子孫を残せないらしい。基本的には、人間の手で広げられた花である。蕊は何の役にもたたないのだ(笑)
赤が多いが、中には白やピンクのものもある。
曼珠沙華を「美しい」と感じる人も多い。
わざわざ曼珠沙華を見に行くツアーもある。埼玉県の巾着田のいわゆる五百万本の曼珠沙華などは、特に有名である。神奈川県藤沢の小出川では、シーズンに合わせて「彼岸花まつり」が行われる。曼珠沙華は全国各地に広がっていると言ってもいいだろう。
しかし、ぼくはどうにもこの花を好きになれない。
赤白を揃へて妖し曼珠沙華
という句を詠んだくらいだ。理由はわかならいが、何となく気持ちが悪いのだ(笑)
しかし、山口百恵の歌った「曼珠沙華」(まんじゅしゃか)は大好きだ。この歌を知ったのは、先日亡くなった歌手門倉有希のアルバムによってだ。幾度聴いたか数えきれない。
涙にならない
悲しみのある事を知ったのは
ついこの頃
で始まる歌である。