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一口の喉潤せる秋の水

小山正見

こんなものが「秋の水」かと怒られそうである。
只の水だ。水道の蛇口を捻ると出てくるあの水だ。
こんなものが自動販売機で売れるとは昔誰が思っただろう。
水とお茶は只というのが日本の常識だった。
それを最初に覆したのは「お〜いお茶」だろう。
お〜いお茶の 前身は同じく伊藤園が発売した「缶入り煎茶」である。発売は1985年。これが4年後の1989年に名称が「お〜いお茶」となった。
お茶は温かいものを家の中で飲むのが常識だが、冷たいお茶を外で飲むという発想が新鮮で新しかった。
お〜いお茶新俳句大賞のコンクールも販売に一役買ったのではないかとも思われる。
外国では水は貴重だ。そのままで水を飲める国はほとんどない。
日本でも「水道水はやばい」などという評判が広がり、それが水販売ブームに火をつけたのだろう。
最初に評判になったのは「六甲の水」だったと記憶している。
今は、富士山の水とか南アルプスとかやたら沢山ある。ご当地銘柄も色々あるはずだ。
大手の会社が水ビジネスを仕切ってお り、2030年には市場規模は10兆円になると予想されているという。
地球上に水はたくさんあるが、ほとんどは海の水。淡水はわずか2.5パーセントに過ぎない。しかもその4分の3は南極や北極の氷だというから真水は正に資源。
とりあえず、ぼくはまだまだ基本は水道派ではある。