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ピーターラビットの世界春遠からじ

小山正見

おそらくだか、これはビーターラビットの世界ではあるまいか。
ビーターラビットは全世界で読まれた絵本だ。4500万部とも言われる超ロングセラーである。
寒の入りというのにここだけは春のようでもある。
こどもの絵本と言えば、ぼくの場合は『ちびくろサンボ』と『ちいさなおうち』だ。何度読んだかしれない。
『ちびくろサンボ』は、一時差別的な表現とされ、世の中から抹殺されそうになったが復活した。
言葉狩りはまだ根強く残っている。ぼくも勤めていた頃
「片手落ち」や「目をつぶる」などなど体を使っての表現はまかりならんと言われたことがある。
『小さいおうち』はアメリカの作家バージニア・リー・バートンの作品。
あらすじは、ご存知の通り。最後に持ち主の子孫に出会い、田舎に戻ることができ、ホッとする物語だ。
絵本は奥が深い。
大人になってから読んで一番印象に残っているのは、佐野洋子だ。
有名な『百万回生きた猫』も好きだが、『空飛ぶライオン』や『おじさんのかさ』も好きだ。
この一冊と言えるのは『おぼえていろよ大きな木』である。
絵本ではないが、認知症になった自分の母親のことを描いた『シズコさん』は心に残った。

寒い日が続くがあと一ヶ月もしないうちに立春である。