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スタバよりやつぱドトール麦の秋

小山正見

沼津の駅を降りたら、雨の向こう側に大きなドトールの看板があった。
実は、この句について「スタバよりドトールが好き麦の秋」(「スタバよりやっぱドトール麦の秋」)もう一つ書きたいことがあったのだ。
沼津で降りたのは、当地の野球でも有名な加藤学園の高校生を教えるためである。
今年で三年目だ。
俳句が初めてだというので、昨年は「朝、何食べた?」から始まる朝食俳句で始めた。これは、小・中学校で散々経験済みの誰でも出来る俳句の鉄板の型だ。加藤学園の生徒達も面白いように多くの俳句を作った。生徒の感想文も見せてもらったが、授業がおもしろかったと好評であった。高校生にも通用すると胸をなで下ろしたが、俳句甲子園に出場する高校生の俳句と比べると大人とこどもの差がある。
「高校生らしい俳句を作らせるにはどうすればいいか。」
それもわずか一時間の俳句の授業で!
ずっとそのことを考えていた。
出来るわけはなくても格好だけでも高校生らしくならないか。
そこで、考えついたのは題して「座右の銘俳句」である。
大人の句会でも人生訓のようなものは良く出てくる。この言葉がけっこう説得力がある場合は、高点句になったりする。(好ましい傾向ではないと思うが・・・)
座右の銘でもいいし、考えていること、言いたいこと、叫びたいこと等を十二音で書き出す。これにぴったりした季語をつければ、うまくいくかもしれない。
勿論、まだやっていないので上手くいくかどうかはわからない。
沼津まで電車の中で、例えばどんなのがあるか、書き出してみた。
【例えば】
石橋を叩いて渡る
明日は明日の風が吹く
失敗は成功のもと
雑草という草はなし
友達の友達も友

どんどん適当に言葉を紡いでいく

死ぬまでは命があるさ
あの子が好きでたまらない
好きならば好きって言ってよ
究極のゲームはこれさ
人類は必ず滅ぶ
僕は絶対海老フライ
心はいつも一つなり
誠意こそ命なりけり
世の中を変えなくちゃダメ
結局はどうにもならぬ

そして、

スタバよりやつぱドトール + 麦の秋
(ドトールのロゴは黄色い。麦の秋の黄色と合うだろう)

石橋を叩いて渡る蝦蟇
夏の夜ぼくは絶対海老フライ
結局はどうにもらならぬクリスマス
夏期講座明日は明日の風が吹く

上手く合う季語を見つけ出せるかどうかが勝負の分かれ道だが、やってみる価値はあるのではないか。