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ようやつと持ち直したるシクラメン

小山正見

土曜日に唖然とした。シクラメンが完全にしなだれているのだ。慌ててジャブジャブと水をやった。今年、二回目の失敗だ。面目ない。
二日間経って、ようやくここまで回復して来た。
毎年11月に館林市のAさんからシクラメンが届く。それも最高級の特別に立派なやつだ。我が家ではそれから約半年間この美しさを楽しむ。父の存命中からだとすると30年は続いていることになる。
父はおよそ50歳から70歳までの約20年間、館林にある関東短期大学で教鞭をとった。その時に仲良くしてくださり、父を支えてくださったのが、事務局に勤められていたAさんである。
連続して講義のある時は父は館林に泊まった。そんな時夕食を共にし、多々良沼などを案内してくださったのがAさんだった。
10年ほど前、ぼくもAさんの案内で館林を巡った。父が好きだった喫茶店「大手町」は既に閉店していた。鰻屋は健在で、大ぶりの鰻を御馳走になった。大学の施設や泊まった旅館も見た。そして多々良沼。父がお世話になった方々にもお目にかかった。そして、父の幸せを思った。
父は人と交際するのが好きではなかったが、こんな風に支えられる場面もあったのだと思った。
シクラメンは父の思い出につながる。枯らしてはならない。