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この道を抜ければ紫陽花祭りかな

小山正見

天気予報は雨だったのに、午前中は太陽すら出ていた。
私は一昨年退職するまで江東区に二十五年も務めていたのに、紫陽花祭りの会場の亀戸中央公園に行ったことは一度もなかった。
広大な公園だ。紫陽花は一体何処に咲いているのかと思った。祭りの会場を探しながら気持の良い緑の道を歩いた。水辺には見事な紫陽花が山のように花開いていた。
俳句フォトのイベントは、何回も経験を重ねている。やり方も大体会得してきた。
しかし、今回の紫陽花祭りでのイベントは、初めての野外開催である。電源すらない。
その中でどう成功させるのか。スタッフと何回も検討を重ねた。
その結果たどり着いたのがLINEのオープンチャットを使うという方法だった。LINEには批判もあり、かたくなに使わないという人もいないことはない。しかし、逆にビジネスや行政の場でも広がり、一番多く人が使っているアプリの一つであることも確かだ。
LINEには、写真の編集機能もある。これまでは、文字入れアプリをその度にインストールしていただいていたが、その手間も省ける。画素数の大きい写真を適当な大きさにして送ってくれるのも都合がよい。
iPhoneの方もいればAndroidのスマホを使っている方もいる。使っている機種によって操作方法が異なる。
説明し、写真を撮り、俳句を載せ、一カ所に集めて皆で鑑賞する。この全ての工程を二時間でやりきるには、できる限り単純化した方法が必要である。
勿論LINEを使う問題点もある。一番の問題は、縦書きができないことである。今回はこの問題には目をつぶることにした。「俳句フォトはじめの一歩」と捉え、更に先に進みたい方には文字入れアプリの存在をお知らせすればよいと考えた。
いずれにしても、こうしたイベントは私一人ではできない。今回もスタッフ四人が参加した。至れり尽くせりの態勢があって、楽しいイベントができた。よかった。これはチームの勝利だ。
準備を進めている時、妙齢の女性がテントに近づいてきた。ひとしきり俳句や俳句フォトの説明をした後で、名刺を頂いた。その名刺には「江東区長 大久保朋果」とあった。びっくりした。何と気さくな方か。
紫陽花をバックに区長とツーショットの記念写真を撮った。
この写真は、大久保区長のX(旧ツイッター)に区長の詠んだ俳句と共に載っている。
「これからも俳句にたしなんでいきたい」という大久保区長に大いに期待したい。