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こじ開けて草の芽出る日向かな

小山正見

昨日、「大花野の会」を我が家、感泣亭で行った。
認知症を発症した妻との生活を綴った句集『大花野』を発行してから2年。多くの方々が読んでくださり、また広げてくださった。
会では、一人一人が『大花野』への思いを語ってくださり、実に温かい時間を共有することができた。
お客さんが来るので、家の前を掃除した。
すると、コンクリートの割れ目からのぞいている草の芽を見つけた。
すごい生命力だ。
我が家の近くにも空き家を時々見かけるが、植物が繁茂し、あっという間にとりかこまれてしまう場面と繋がった。
なにしろ、ほんのわずかなコンクリートの隙間から緑が広がるのだ。この調子だと人間の文明などあっという間に飲み込まれると思った時に、頭に浮かんだのは軍艦島だ。10年ほど前、長崎の小学校に仲間と一緒に俳句の出張授業をしに行った際に訪れた。
軍艦島は、元は三菱の端島炭鉱であった。半人工島で質の良い石炭がとれ、。島内には五千人が暮らし、学校や映画館、神社まで完備されていたと言う。
とこらが、それまでの主要エネルギーであった石炭が石油に取って代わられ、端島炭鉱(軍艦島)は閉鎖される。1974年のことだ、
軍艦島から人がいなくなって50年。たった50年で軍艦島は廃墟だ。(実際はもっともっと短い時間で廃墟になっている)
自然の力というものをもう一度考え直さざるをと思った。