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点数など関係なくて梅雨晴間

小山正見

俳句の授業は点数に関係がないからいい。楽しくできる。
しかし、今でも「学力テスト」が幅を利かせているらしい。
「都の平均や区の平均と比べて我が校は・・・」と学校だよりに書いている学校は多い。
学校の立場としては分かるし、私も同じ穴のムジナだ。しかし、くだらないことこの上ない。
学力検査の平均点に一番影響を及ぼすのは、極端に点数が取れない児童の数の多寡だ。
仮に平均点を80点としよう。80点の子がどんなに頑張っても上幅は20点しかない。
それに勉強というものは、大筋できればいい。99点を100点にする努力をするなら、自分の好きなことをさせた方がずっと成長につながる。
0点の子が一人いたら、どんなに頑張っても平均点は上がらない。それに極端に点数の低い子は、学力だけでなく、いろいろな意味で困難を抱えている子が多い。
経済力を含め生育環境の格差が学力差の根本要因だ。
学校は勉強するところだから「学力」で評価するのは仕方ないが、平均点を示して尻を叩くようなやり方は、下策としか言いようがない。
困難な児童の指導を進んで引き受けるよりも、そうした子がいない方が良いと考えるようになってしまうからだ。
「学力テストの日は休ませる」
かつて、そうした事実もあったようだが「休んでくれると嬉しい」となるのは明らかだ。
施策は、困難を抱えた子を援助する努力を評価する方向で進めるべきだと思う。
そんなことをつらつら考えていたら、昔の文書が出てきた。
今は、学校から離れているので俯瞰して考えられるが、学校の中にいると、どっぷり浸かってしまっているのがよくわかる。

都の行った学力テストの結果が送られてきた。
本区は、学校ごとの成績を外部には公表していないが、各学校には送付してきている。
誠に細かな数字の表で、老眼には見づらいが、全部に目を通した。
取り合えず、算数と国語だけ、一問、一問の成績を全都平均と比べてみた。
総合点で言えば、本校の場合、両方の教科とも平均点を上回っている。
しかし、細かに見ると、そうでない状況も見えてくる。
まず、算数だが、おおむね良好であっても、四つの問題については、都の平均点を10点~20点下回っている。
もしかしたら、この問題を抜かしているか、軽視しているかだろうと想像した。
そのうちの二つについて言うと、
「一つの問題は、直線Aに平行な直線をすべてあげよ。」
と言う問題であり、もう一つは、
「平行四辺形をすべてあげよ」
と言う問題である。
二つ目については、正方形を数えていない可能性が高い。
一つ目の問題は、一つ一つ丹念に確認しなかった可能性もある。
これは、学習のスタイルの問題である。

国語の成績も平均点をかなり上回っていたが、一問、一問見ていくと、それほど成績は、よくない。
ところが、「言語事項」つまり漢字については、素晴らしくできているのだ。
言語事項についての成績がよいために、国語の成績がよくなっているだけだと言うことが分かった。
読解力があるわけでも、書く力があるわけでもない。
抜本的な対策が必要と感じた。
総合点の順位だけを公表することには、あまり意味を感じないが、分析をして、それを生かすという点では、こういうテストは、思ったよりも有効であるとも感じた。