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死ぬるまで立ち尽くしてや立葵

小山正見

俳句と関係ないのだが、パソコンのフォルダの中に20年以上前の「ある校長先生」の文章を見つけた。読んでみたらなかなか面白かった。学校の内情も少し窺い知れる。ここで紹介することにする。
もう時効だろう。
その1 校内宿泊是か否か
今日、校内で激論があった。
PTAの一部の役員から今年の夏休みに子ども達に校庭でキャンプをさせたいという提案があったのだ。
区からキャンプの道具を一式借りてきて、校庭に張り、そこで寝よう。
食事も薪をたいて、飯ごう炊飯をさせよう。
まあ、こういう趣向だ。
私は、話を聞いた時「うーん」と唸った。
実際は、PTAが考えるほど簡単ではない。
教頭さん(今は副校長さん)に「どう思う」と聞いた。
教頭さんは、反対である。
PTAがやるって言ったって学校の責任になりますよ。
だいたい教育委員会が認めないんじゃないですか。
PTAだって、みんなやりたいと言っているわけじゃないし・・・
確かにPTAもいい加減なところがある。
アイデアはいいが、結局やる時は教頭におんぶにだっこ。
ものを借りるんだってそうだし、後かたづけはいい加減。
尻ぬぐいをするのは、いつも教頭先生だ。
教頭さんは、どんな状況になるか目に見えるようだと言う。
結局、学校にあれ貸してくれ、これがないと当日に困る。
結局、PTAは口だけだ。
厳しい。
そこに、生活指導主任のA先生が入ってきた。
彼は、「いいじゃないか」と言う。
「教員が一緒にいなければ、どうにかしますよ。」
とひどく楽観的だ。
「でも、問題が起きると校長先生の責任になるんですよ。」
どうも、教頭先生は私を味方につけたいらしい。
A先生は、今の子ども達は、そうう経験が少ないんだから、ぜひやらせるべきだ。
と正論で迫る。
教頭先生は、「A先生は、自分があまり関わらないから勝手なことを言っている」
と言う。
確かに、子ども達が泊まれば管理職も泊まらざるを得ない。
さあ、どうする。
A先生も段々エキサイトしてきて、
「だったら、僕が泊まればいいんでしょう」
売り言葉に買い言葉だ。
まいったなあ。
「まず、教育委員会が許可するかどうか、聞いてみましょう。後のことは、それからだ。」
とその場を収めた。
(続く)