【大好評】「咲満ちて小山正見の俳句フォト カルタ」販売中!

朽ちかけの隙間隙間の青紅葉

小山正見

写真は、朽ちかけの橋と青紅葉の対比を狙ったものである。
滅びゆくものには、何となく郷愁が湧く。
人間はやがては死に朽ちていくから、その自分に重ねてみているからかもしれない。
多くの物語は、滅びの物語である。
平家物語も太平記も。
義経の最後も織田信長も。楠木正成も真田幸村も。西郷隆盛も悲劇の主人公だが、徳川家康や伊藤博文もたまには物語になるが、そこまで感動を呼ばない。
詩や俳句でも廃線や廃墟は、題材になりやすいが、活発に動いている新幹線や山手線を題材にできるのは相当なテクニシャンだ。
かつて、俳人の今井聖氏が「職場の俳句」を作ることを推奨する講演を聴いた(うろ覚えだが)ことがある。
職場は、滅びに最も遠い場所である。
もしかしたら、滅びに寄りかかる安易さを咎める意図があったのかもしれない。